海浜自然センターでは水田魚道の効果を確認するためのモデル事業や、水田魚道の観察会を行うなど、水田魚道の普及に取り組んでいます。
「水田魚道」とは魚が田んぼへ自由に出入りできるように、田んぼと水路との間につけた「魚の階段(かいだん)」です。
しかし、水田魚道は何のために田んぼにつけるのでしょうか?

ドジョウやフナ、メダカなどは田んぼなどの浅い水辺で卵を産みます。田んぼは温かいので、エサとなるプランクトンが多く、また流れがゆるやかなため卵や稚魚が流されません。
そのため、田んぼは魚たちが卵を産むためにピッタリの場所なのです。
昔の田んぼは、水路と田んぼに段差がなく、魚たちは自由に田んぼに出入りできました。
しかし、田んぼの形がバラバラで大型機械を入れることができなかったり、水管理が難しいなど、米作りに大変な労力がかかっていました。
今の田んぼは、大型機械を入れるために田んぼの形状を整えたり、水管理を行いやすくするために水路を深く掘っています。
そのため、水路と田んぼに段差ができ、魚が入れなくなってしまいました。

水田魚道を使って、魚たちが昔のように田んぼに入って卵を産めるようにする取り組みがはじまっています。
海浜自然センターでは、18年度と19年度に三方湖の周辺に水田魚道を設置しました。
その結果、いろいろな魚たちが水田魚道を利用して、三方湖から田んぼに上がってきました。

平成19年に設置した水田魚道に上がってきた魚は、なんと14種類!これは三方湖で確認されている魚種の半数近くにもなります。

この写真は、平成19年5月25日に水田魚道をとおって田んぼに入った魚です。この中には10〜15cmのフナが4尾いました。

約2ヵ月後の7月15日に水田魚道をとおり田んぼから用水路に下ったフナの稚魚です。
この田んぼに上ったのは親ブナ6尾、稚魚130尾でしたが、下った稚魚はなんと合計3,830尾でした。
田んぼは、水田魚道をつけることにより「お米」と「お魚」が育つ田んぼになりました。

身近な小川や水田に生き物が帰ってくるように、海浜自然センターではこの取組みを広げていきたいと考えています。
三方湖周辺では水田魚道の取組みが広がっています。